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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

もう一つ問題になるのは、卓上演説があまりはやると、ついつい卓上気分を卓上以外に拡張するような習慣を助長して、卓上思想や卓上芸術の流行を見るようになりはしないかという事である。識者の一考を望みたい。

三 ラディオフォビア

初めてラディオを聞いたのは上野のS軒であったと思う。四五人で食事をしたあと、客室でのんきにおもしろく話をしていると、突然頭の上でギアーギアーギアーギアーと四つ続けて妙な声がした。ちょうど鶏の咽喉でもしめられているかというような不愉快な声がした。それから同じ声で何かしら続けて物を言っているようであったが、何を言っているか自分にはわからないので同行者に聞いてみると「JOAK、こちらは東京放送局であります」と言ったのだそうである。それから長唄か何からしいものが始まって、ガーガーいう歌の声とビンビン響く三味線の音で、すっかりわれわれの談話は擾乱されてしまった。

それから後も時々いろいろな場所でこのJOAKに襲われた。慣れて来ると、なるほどJOAKと聞こえる。ジェーエ、オーオ、エーエ、ケーエイッと妙に押しつけて、そして無理に西洋人らしくこしらえた声でどなるのがどういうものかあまりいい心持ちがしない。