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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页
「犯人は誰です?」
と木村さんはいきまきました。
「まあそう、気を揉まんでもよろしい。それをお話しするまえに、おじさんに振る舞いたいお茶がある」
「お茶ですって? お茶どころではないです。早く犯人の名を聞かせてください」
俊夫君はそれに返事もせずに、薬品棚から一つの罎を取り、それを傾けて、中の液をビーカーの中へ注ぎました。それから、細い白金線を小さく切って、木村さんの眼の前に持ってきました。
「木村のおじさん、このお茶はちょっと変わったもので、不思議な芸当をやります。いいですか、この中へこれを入れますよ」
こう言って俊夫君が白金線の小片を液体の中へ入れると、白金はかすかな音をたてて、見る間にとけてしまいました。
「王水〔(塩酸と硝酸との混合物)〕ですか?」
と木村さんは驚いて申しました。
「そうです。けれど竹内さんの飲むお茶はこれです」
「え? 何? ではあの竹内の土瓶の中は王水でしたか? あの中へ白金がとかされていたんですか? そりゃ大変!」
こう叫んだかと思うと、木村さんは後をも見ずにあたふた駆けだしていきました。
「兄さん僕らも木村さんの家へ行こう」
私たちが木村さんの家の前までゆくと、木村さんは中から駆けだしてきました。