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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
9 結論
9 結論
大和の唱門師に関しては、以上述べた以上に今の自分には多くの資料を持っておらぬ。しかしながらいわゆる「全国数十箇所」の唱門なども、また興福寺における五箇所・十座のそれの如く、諸寺院あるいは豪族などに属していたものが多かったのではあるまいか。現に前引『雑事記』には、「奈良中唱門事は、七郷、或一乗院領、東大寺領以下、在々所々ニ有レ之」とある。もって他を類推することができよう。もちろんそのことごとくがそうでないとしても、他の諸大寺はもとより、諸国の戦国時代の古城址付近にエタ部落の存在する例が多いように、一城を構えるほどの豪族の配下には、この種の賤役に従事するものが存在したであろうとのことは、いわゆる七郷所属の唱門のあったことからも察せられるのである。しからば右の五ヶ所・十座を始めとして、大和各所の数十箇所の唱門部落の末路はどうなったであろうか。言うまでもなく彼らの子孫は必ずしも後の陰陽町や芝辻町などにのみ蟄居して、陰陽師・神子・雑遊芸等に世を渡った類のみではなく、よしや彼らが守護国司の野心を遂げえなかったとしても、社会にしかるべき地位を獲得したものの少くなかったことは容易に想像しうべきところである。