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ぞくほうしこう

差別の根源を考える

喜田 貞吉

喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页

青空文庫

また祇園の弦売僧の如きも、犬神人として類似の職務に服し、かねて唱門師と呼ばれていたのをもってみれば、またもって一つの散所法師であったと言わねばならぬ。しかも彼らは「坂の者」として認められた仲間であった。坂の者・河原の者、畢竟みな散所法師である。そして有力なる他の社寺にも、また必ずこの類の者のあったことを想像せざるをえぬ。『慶長見聞書』(『古事類苑』引)に、

慶長十二年十二月十八日、今程太平の御代にて関所も無二御座一、(中略)此僧正(月輪院僧正)子細委に被二申達一。穢多と申は(中略)、其の後かれが子孫多くなり、社々寺々の掃除の為に山下に置て、寺の残飯にて養申候由、伊勢の間の山、高野に谷のもの、北野の宮地、祇園のつるめそう、ゑい山の犬神人、皆是寺方の掃除の為なり。(下略)

とあるのは、慶長頃の実際を示したものである。ここにはこれらの徒をみな穢多といっている。その後これらの徒の中でも、皮革を扱わなかったものはエタ仲間から除外されたが、もとはひとしくエタと呼ばれたのであった。そしてそれには散所の名はなくとも、事実上散所法師と同じ仲間であったと想像せられるのである。