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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
はたしてしからばエタといい、唱門といい、種々名称を異にしていても、実際にはもと、そう区別のあったものではない。このことはこれまでもうるさいほど、本誌上で説いたところであるが、この散所に関する上引諸書の記事からも、またそれが裏書きせられたのは面白い。ことに上引『蔭涼軒日録』所載の北畠散所というものの如きは、山科言継卿の日記にその名のみえる北畠の唱門師なるものとの間に関係があるらしく察せられるのである。よしや両者同一ではないにしても、同じ場所に住んでいて、しかも類似の徒であったとすれば、その両者間の相違は、前者が鹿苑院に属し、後者が禁裏へ千秋万歳に出る仲間であったくらいの差であったであろう。そして祇園の犬神人が同時に唱門師と呼ばれたように、北畠の唱門師が鹿苑院に属しては散所と呼ばれていたものと察せられる。
要するに散所は一種の俗法師の徒で、畢竟声聞師の仲間であった、そして声聞師の中から陰陽師が出たように、散所の名を有する仲間から陰陽師が出ている。土佐の算所大夫の如き、遠州の陰陽博士の如きはその著しいものである。今左に沼田君から寄せられた見聞録中の、土佐の算所大夫所蔵文書の写しを掲げてひとまず本編を終わることとする。