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ぞくほうしこう

差別の根源を考える

喜田 貞吉

喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页

青空文庫

7 エタの特に嫌われた理由

長吏のおらぬ所には、優待条件をもって、歓迎せられて、わざわざそこへ移住しました。それが多数の昔のエタ村の起原で、言わば多数のエタ村は、請願巡査の世襲的駐在所の延長といってもよいのです。しからばいわゆるエタは落伍者中の頭として尊敬さるべく、警固担任者として感謝さるべきはずであるにかかわらず、単に穢れているというだけで、特別にかくまでひどく嫌われたのでしょうか。また肉食なるものが、はたしてそう穢れているものでありましょうか。

7 エタの特に嫌われた理由

ところが、これらの長吏の輩は、多くは自分の勢力にまかせて、その縄張り内にできた死牛馬を独占して、皮革その他の利益を壟断し、他の落伍者仲間には触らせないようにしました。これがために物質上の利益を得ることが多かったのですが、その代りに、彼らはその身が穢れているとの迷信にわずらわされました。

事実わが中世においては、肉食は非常に穢れたものだとの迷信が盛んに行われたものでした。肉を喰ったものは神参りはできぬ。自身は喰わずとも、肉食の穢れあるものに近づいたならば、穢れがその身にうつるものだとまで信ぜられたものでした。