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ぞくほうしこう

差別の根源を考える

喜田 貞吉

喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页

青空文庫

これ実に同君の研究に対して敬意を表するの道であって、かねて同じ手数を重ねる労を省く所以であると信ずるからである。同君の所説は大要次の通りである。

京都には上の御霊の鳥居の脇に唱門師村という一廓があって、宝永二年の序のある『山城名勝志』には、「今に至る迄彼地唱門師多く住す」とある。

山科言継卿の日記によれば、正月十八日の三毬杖の時に限り、必ず唱門師禁裏に参上して之を囃す例であった。

千秋万歳と称して、正月の四日五日に禁廷に罷り出でて色々の曲舞を奏した者も、亦唱門師であった。

言継卿の頃には、京都では北畠と桜町とに声聞師の部落が分かれていた。後者は禁中に近かったので、「御近所の声聞師」ともいっていた。

『山城名勝志』引「季瓊日録」(寛正五年)によれば、六月十四日の祇園の祭礼に、北畠から跳戈を出し、歌舞して御所へ参るのが旧例だとあって、此の徒が遊芸に由って御霊会の神事に仕えていたことがわかる。祇園の犬神人も唱門師だとの説もあれば、何か久しい由来のあることかもしれぬ。

唱門師が冬季竈の塗替の節に来て地祭をしたことがある(『言継卿記』天文二十一年十一月二十一日)。