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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
しかるに徳川時代にあっては、その収容所の名称からして、これをお救い小屋とも、または非人小屋とも称し、その被収容者を非人と呼んで、人間仲間には入れないものでありました。中にも京都には悲田院というのがあって、諸国から流れて来た気の毒な人々を収容することになっていましたが、その被収容者は、やはり非人と呼ばれたものでありました。悲田院とは、昔、光明皇后のお始めになったもので、今でいえばまさに孤児院、養育院、養老院に当たるものです。しかるにその名称をそのままに、徳川時代にはこれを非人小屋としていたのです。そしてそこで生れたものは、生れながらにして非人の階級に置かれたのでありましたから、後にはその数がだんだん殖えまして、ついには京都に六箇所の、悲田院の非人部落をなすほどにまでなりました。
当初非人小屋に収容せられたものは、老人や、小児や、病人、不具者など、自活のできぬものであったでありましょうが、その小児も年がたてば大人となる。病人だとていつまでも病気でいるものでなく、不具者にも子が生れるでありましょう。しかし一旦そこに収容せられたものは、足を洗って普通民となることは容易でありませんでした。