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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
12 いわゆるエタの人口増加と地位の低下
もちろん警察事務に与らず、単に遊芸、乞食、物貰い等に生活したものは、非人と呼ばれてエタとは別の筋目のものになりました。漁師や猟人の徒の如きは、むろん早くからエタと呼ばれなくなっています。そこで徳川時代も中頃以後にエタと呼ばれたものは、その当時において、現に警察事務以外、皮革を副業としたもののみでありました。ここにおいてエタという語の範囲が、よほど狭くなり、エタと非人との区別ができました。京都の悲田院の仲間の如きも、右に述べた如く、かつては同じエタと呼ばれていましたが、後には単に非人、あるいは小屋者、垣内などと呼ばれて、エタとは筋の違うものとなりました。茶筅、鉢屋、宿の輩は、もちろんエタでもなく、さりとて普通の非人というものとも違い、エタに類するものということになりました。早く農民となり、商工業に従事した散所の輩は、単に筋が穢わしいというだけで、エタでも、非人でもなくなりました。遊芸者の中でも、下等な門付け芸人や、渡り芸人は別ですが、上等の歌舞伎役者や、人形遣いなどは、河原者、河原乞食などとはいいましたが、エタだとは誰も思わなくなりました。
12 いわゆるエタの人口増加と地位の低下