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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
3 在家の法師
これらの霊験談は、世の不信者に対して乞食法師を尊敬優待すべきことを示すべき必要なる教訓談ではあろうが、その一面には事実上彼らが、その当時往々世間から馬鹿にされた場合の多かったことを示しているものだと言わねばならぬ。ことに神護景雲三年という年に、京の優婆塞が遍歴して越前の加賀郡(後の加賀国)に修行した時に、その地の浮浪人の長が、縄張り内の浮浪人から雑徭を徴し、調庸を取り立つるの例によって、これを責めさいなんだがために、優婆塞の大神呪にかかって、悪死を遂げたという噺の如きは、浮浪の長の側からいえば、実際上それが真の修行者であるか、はた己が配下に属すべき浮浪人であるかの、鑑別に苦しんだ場合もあったであろうと察せられるのである。末流末派の法師のある者が特殊民として賤しまれるに至ったについては、けだしやむをえぬことであった。
3 在家の法師
法師に関する厳格なる規定は、大宝令中の僧尼令に詳しくみえている。彼らはもちろん酒を飲み、肉を喰い、及び五辛を服してはならなんだ。ただ疾病の場合にのみ、薬用として三綱の許可を受け、日限を定めてのみ許されているにすぎなかった。