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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
百姓共申立候様、河原者・鉦たゝき等の類を、穢多同然に心得べき儀にも有べからず。
とある。きわめて徹底しない判定ではあるが、ともかくこれによって、為政者なり世間なりの彼らに対してみたところを知ることができる。
要するに声聞師の社会上の地位は、境遇によって高くも低くも変じていったものである。もと猿引などとともに七道の者と呼ばれ、五ヶ所・十座の唱門の進退に委せられておった猿楽の能役者などは、早くから立派な身分となって、将軍・大名にも近づいていたが、同じ流れを汲む手猿楽・辻能の徒は、やはり後までも非人として扱われていた。しかも基本を糺せば、いわゆる七道のものも、またこれが支配の地位にいた唱門師と同じく俗法師の徒である。そしてその仲間からエタになったものすらもあったと認められるのである。されば、歌舞伎役者の地位の向上を認めながらも、「元来河原者なれば素性を糺す時は平人より下なるべし」という筆法で論じていくならば、「穢多同然」という百姓どもの申立てにも一面の道理はある。しかもそのエタそのものが、本来あえて賤しまるべき義務を有するものではなかった。境遇によって高くも低くも変っていくべきはずのものを、万事旧慣を重んずる徳川時代の風潮として、普通民多数の圧迫から、高くなって行くべき者をもその徒の中の特に低くなったものの同類