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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
北原白秋「婦人公論 第四十三巻第一号」1958(昭和33)年1月号<br>高村光太郎「婦人公論 第四十三巻第二号」1958(昭和33)年2月号<br>萩原朔太郎「婦人公論 第四十三巻第三号」1958(昭和33)年3月号<br>釈迢空「婦人公論 第四十三巻第四号」1958(昭和33)年4月号<br>堀辰雄「婦人公論 第四十三巻第七号」1958(昭和33)年7月号<br>立原道造「婦人公論 第四十三巻第八号」1958(昭和33)年8月号<br>津村信夫「婦人公論 第四十三巻第九号」1958(昭和33)年9月号<br>山村暮鳥「婦人公論 第四十三巻第十一号」1958(昭和33)年10月号<br>百田宗治「婦人公論 第四十三巻第十二号」1958(昭和33)年11月号<br>千家元麿「婦人公論 第四十三巻第十三号」1958(昭和33)年12月号<br>島崎藤村「婦人公論 第四十三巻第六号」1958(昭和33)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 页
却って堀よりもたえ子の神経はするどく何時も集中されていて、時々、彼女は低い声でいった。「たすけてほしいのは実際わたくしの方かも知れないのよ、お湯をすする気はいでも、びくっとするくらいですもの。」
×
僕の骨にとまつてゐる
小鳥よ 肺結核よ
おまへが嘴で突つくから
僕の痰には血がまじる
おまへが羽ばたくと
僕は咳をする
おまへを眠らせるために
僕は吸入器をかけよう
×
苦痛をごまかすために
僕は死にからかふ
犬にでもからかふやうに
死は僕に噛みついて
彼の頭文字を入墨しようと
歯を僕の前にむき出す
萩原朔太郎の歿後、朔太郎全集の出版を引き受けてくれた本屋さんが二軒の本屋さんに及んで、私はAという書店が先きに話があったのでA書店をすいせんし、三好達治は別のBという本屋さんを支持して、全集の打合せ会の席上、三好達治と私とが議論をはじめた。萩原は三好達治の先生だったから装幀の心づかいから、萩原おもいの三好は一歩も譲らずに、しまいにあなたなぞ何が判るんだと啖呵を切り、先きに申し込まれて一旦遺族と計って宜しいと契約をしたのに、今更契約を解くことが出来るかと、私は眼鏡を外して立ち上った。