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かいていごじょうほう

改訂御定法

山本 周五郎

「文藝朝日」朝日新聞社、1962(昭和37)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,422 字 · 58 页

青空文庫

中所はこの藩の筋目の家で、祖父の三衛は城代を勤め、父の兵衛は二十九歳から四十一で死ぬまで、名君といわれた先代、信濃守教員の側用人を兼ねていた。直衛は十八歳で家督をし、二十三歳で「連署」になった。これは家老になる序席なのだが、二年のちに藩法改新の問題がおこり、閑職に追われてしまったのであった。

河本家は四百石の大寄合であるが、宗兵衛は三年まえから町奉行を勤めている。としは直衛と同じ三十二歳、妻のほかに二人の子があった。御定法が改新されて以来、七年間に町奉行の交代が宗兵衛でもう三度めになる。新法では町人や百姓にいろいろな権利が与えられているため、それらの訴訟が多く、町奉行は困難な役になっていたのだ。――磯村へ嫁した妹の佳奈が、良人の大助に死なれて実家へ戻ったのは、大助の弟が磯村の家を相続することになり、彼には婚約者があったからである。そうでなくとも、子供がないのに磯村で一生を終る気はなかったろう。佳奈は兄をくどいて河本へ帰った。そのことはまもなく中所家にもわかり、暫くして直衛から再婚の話がもちこまれた。直衛も編纂所頭取になった年に結婚し、これは一年とちょっとで妻に死なれた。