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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
「ア、わかった。あれは西洋人だよ。青い目をしているから、野蛮人じゃなくて、ヨーロッパかアメリカの文明人だよ」
少年達はそれとわかると、いくらか安心して、オズオズと怪物に近づいて行きました。ポパイも主人達の様子を見て、吠え立てるのをやめました。
怪物の方でも、少年達の気持がわかったのでしょう。モジャモジャのひげの中から、白い歯を見せて、笑いながら、しきりと何か言っています。
洞窟の入口に近づいて、よく見ますと、それは背の高い、ひどくやせた西洋人で、破れたワイシャツに、泥まみれのズボンをはいていることがわかりました。顔も見わけられぬほど、濃いひげにおおわれているので、大猿かなんかのように見えたのです。きっと永い間剃刀をあてたことがないのでしょう。
でも、この西洋人はどうして四つん這いになっているのでしょう。少年達が近づいて行っても、立上ろうともせず、洞窟の入口に這ったままこちらを見上げています。
やがて、西洋人はひどい病気にかかっていることがわかって来ました。這っているのさえもたいぎらしく、間もなく、そこの地面に犬のように寝そべってしまったのですが、そのやせた肩が、息をするたびに、はげしく上下に動いています。