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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

少年たちは、海賊船のとりこになってからというもの、この船がどこかの港へ寄港するのを一縷の望にしていたのですが、賊もさるもの、船が港に近づくと、三人の少年を、あの最初麻酔薬を飲まされた小部屋へおしこめて、ドアに鍵をかけてしまうのでした。そして、船が用事をすませて港をはなれるまで、けっして外へ出してはくれないのです。

救を求める望は全くたえてしまいました。この上は、海賊船をのがれるためには、海へ飛びこみでもする外はありません。三人の少年は、海や船が好きなだけあって、泳はよく出来るのですが、港に遠い荒海の中へ飛びこんで、どう泳ぎきることが出来ましょう。そんなことをすれば、ただ鱶の餌食になるばかりです。

でも、少年たちは、どうにかして賊の船をのがれたいと、昼も夜もその事ばかり考えていました。人のいないすきを見ては、三人が額をよせて、ひそひそとそのことばかり相談していました。

すると、長崎を出て一月ほどたったある夜のこと、思いがけぬ機会が来たのです。非常な冐険をすれば、ひょっとしたら、逃げだせるかも知れないような、たった一つの方法を発見したのです。

その時、海賊船はオランダ領セレベス島のメナドという港に入って、盗みためた荷物を、たくみに売りさばき、しこたまお金をもうけたのですが、そのお祝だというので、港の酒場で