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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
「今夜はここで寝ることにしようよ。ここなら大丈夫だよ。あの入口の穴を何かでふさいでおけば、どんな猛獣だって、野蛮人だって、僕たちをどうすることも出来やしないよ。それに、雨が降っても大丈夫だし」
「ウン、そうだ。これは僕たちの岩のお城だね」
「歩哨にはポパイという強い奴がいるしね」
三人は口々にそんなことをいい合って、まずまずこれで安心と、胸をなでおろすのでした。
「でもね、僕は一つ心配なことがあるんだよ」
しばらくして、哲雄君が考えぶかそうな顔でいい出しました。
「エ、心配なことって?」
保君がうつぶせになっていた顔を、ヒョイと持ちあげて、眉をしかめて聞きかえします。
「君たちは野蛮人、野蛮人っていうけどね、ここには野蛮人だっていないかも知れないと思うんだよ」
「野蛮人がいなけりゃ、なおいいじゃないか」
「そうじゃないよ。野蛮人でもなんでも、人間がいてくれれば、僕たちは何とか工夫して助かる見込があるんだけど、人間が一人もいないとすると、僕たちは、ホラあのロビンソン・クルーソーのお話とおんなじになってしまうじゃないか。ロビンソン・クルーソーはあの淋しい無人島に二十五年も一人ぼっちでいたんだよ。