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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页

青空文庫

やまと島の住民

樽の横腹の小さな穴から、受けてある鍋やどんぶりの中へ、油がどっさりしたたり落ちたのです。

哲雄君はなんという感心な少年でしょう。何もないところからまず火をつくり出し、今度はその火をたやさないように、油までつくり出したのです。

しぼり取った油を、シーツの布でこして、それを少しお皿に入れて、それから、シーツのはしを細く切ったきれをこよりにして、燈心の代りにお皿の中へ入れ、そのはしへ火をつければ、りっぱなともし火が出来るのです。

こうして、少年達はその夜から、気味のわるい暗闇の中で寝ないでもすむようになったのでした。

やまと島の住民

少年達が一箇月の間になしとげたことは、パンの木の発見や、油しぼり機械の発明だけではありません。まだほかにもいろいろな事があったのです。

まず第一はその無人島に名をつけたことです。その島はちゃんと地図にのっていて、名のある島かも知れませんけれど、少年達はそれを少しも知りませんので、「仮に僕たちで名をつけておこうじゃないか」ということになり、いろいろ名前を相談したあげく、三少年の通っていた小学校の名をとることにきまりました。それは大和小学校というのですが、その「やまと」