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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
犬と猿とは仲がわるいといいますけれど、相手がこんな小さな豆猿では、いがみ合うはりあいもなかったのでしょう。
そんなぐあいで、二匹の新しい家族は、ポパイをも恐れぬようになり、しまいには、三人の少年と三匹の動物とが、仲よく一つのテーブルでごはんをたべるようにさえなりました。
やまと島の一家族――といっても、それが島の全国民なのですが――その一家族の食事のありさまは実に奇妙な、ほほえましいものでした。
何かの仕事でいそがしい時には、洞窟の中で手がるに食事をすませてしまいますが、くもった涼しい日などには、洞窟の外にテーブルや椅子を持出して、みんなでたのしい食卓につくのでした。
そのテーブルや椅子は、その後沈没船から運んで来たものですが、大きなテーブルの上には、白布をかけ、その上に御馳走の入った鍋や、どんぶりや、お茶碗や、コップや、葡萄酒の瓶までならべられ、それをかこんで、三人の少年は椅子につき、ポパイも椅子の上にチョコンとすわって、まるで人間のように、食卓の一員となるのです。
それから、眼鏡猿と鸚鵡とは、椅子にすわるのには小さすぎますから、テーブルの上にのって、お皿にわけてもらった御馳走をたべるのです。