轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

08 第八分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 页

青空文庫

「もすこしお舟を寄せ候え。こなたよりも寄せ申さん」

と、云った。

相互の舷と舷とが近づきあって、軽くどんとゆれた。

茂助は、威儀を正した。

「――さて。余の儀でもありませぬが、それがしの主人秀吉様の申さるるには、この度の和議も、其許の御一諾なくば、到底、調い難きはずのところを、忠義のためには、一身もお顧みなき御返辞に、ほとほと感じ入って候との儀でござった。――今日はまた、時刻もおたがいなくお立ち越え、まことに殊勝のいたりに存じ申す」

と、まず慇懃なる挨拶を呈して、次に、

「――ついては、永々の籠城、さだめし御辛苦の事もおわしつらんと、主人秀吉様より心ばかりの品お慰めにと、これへ持参いたしてござる。……まだなかなか陽も高うござれば、われらの役儀にお心づかいなく、悠々と名残をお尽しあるように」

一樽の美酒と、幾重ねの佳肴などが、舟から舟へ手渡された。

宗治はよろこびを顔に湛えて、

「これは思いがけない好物のお贈り物。わけて秀吉どののお志とあれば風味喫すべしと存ずる。遠慮なく頂戴いたそう」

と、杯をとりあげた。

そして、兄の月清入道に、

「兄者人も、おひとつ」