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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
推古時代における仏教受容の仕方について「思想」1922(大正11)年7月<br>仏像の相好についての一考察「思想」1922(大正11)年5月<br>『万葉集』の歌と『古今集』の歌との相違について「思想」1922(大正11)年8月<br>お伽噺としての『竹取物語』「思想」1922(大正11)年11月<br>『枕草紙』について「思想」1922(大正11)年9月<br>『枕草紙』の原典批評についての提案「思想」1922(大正11)年9月<br>『源氏物語』について「思想」1922(大正11)年12月<br>「もののあはれ」について「思想」1922(大正11)年10月<br>歌舞伎劇についての一考察「思想」1922(大正11)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 页
の話の描写が挿まれている。武藤氏は耄及愚翁本の古写本に基づいてこれをこの個所より引き離し、巻末に近い「社は」の次へ移した。この新しい位置が本来の位置であるかどうかは別問題として、とにかく春曙抄本における位置がいかにも挿入らしく思われるということには異論がなかろう。ところでこの個所は、武藤氏校定本によって数えると、約四七二字である。これは一一二字の四倍四四八字と一二〇字の四倍四八〇字とのちょうど中間にある。すなわち本来は草紙四枚に書いてあったと認める事ができる。
またこの草紙の発端、春はあけぼの云々は、語句の末に相違があっても、この草紙の発端としては諸異本ことごとく一致するところである。しかるに伝宸翰本においては、四季の総叙を終わって「ころは」の一節を叙するとともに、直ちに、「せちは」、「ふる物は」、「風は」、「霧は」、「木の花は」というふうに連想の糸をたどって「何々は」のことごとくを列記する。春曙抄本に比べると発端の一致するのは「ころは」の終わりまでに過ぎない。もし紙の重ね方によって他の個所がここに続けられたのであるならば、この「ころは」の一節はちょうど一枚の終わりにあったと見られなくてはならぬ。