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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
推古時代における仏教受容の仕方について「思想」1922(大正11)年7月<br>仏像の相好についての一考察「思想」1922(大正11)年5月<br>『万葉集』の歌と『古今集』の歌との相違について「思想」1922(大正11)年8月<br>お伽噺としての『竹取物語』「思想」1922(大正11)年11月<br>『枕草紙』について「思想」1922(大正11)年9月<br>『枕草紙』の原典批評についての提案「思想」1922(大正11)年9月<br>『源氏物語』について「思想」1922(大正11)年12月<br>「もののあはれ」について「思想」1922(大正11)年10月<br>歌舞伎劇についての一考察「思想」1922(大正11)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 页
なおこの制度において特に注目に価する事は、全然労働能力なき小児や一般の女子にも土地を均分している点である。シナにおいてはかかる前例はない。そうしてこの相違には甚大な精神的意義がある。なぜならば一般の女子や労働能力なき小児にも土地を均分するという事によって、租税の徴収が第一義でなく生活の保証が第一義である事を明示しているからである。シナの法制においては労働能力ある男子への配分は非常に大きいが、主義として人民に土地を均分するのではない。
これを実際の例についていうと、たとえば筑前国島郡川辺里卜部乃母曾の一家は(正倉院文書、大宝二、戸籍、による)、
戸主乃母曾、四十九歳。(正丁、一人前の権利義務全部を担うもの)
その母、七十四歳。(耆女、口分田をうけ田租を納めるも他に義務なし)
その妻、四十七歳。(丁妻、右に同じ)
長男、十九歳。(少丁、口分田をうけ田租を納めるほかに、四分の一人前の庸調を負担す)
長女、十六歳。(小女、丁妻に同じ)
次女、十三歳。(小女、右に同じ)
次男、六歳。(小子、右に同じ)
戸主の弟、四十六歳。(正丁、戸主に同じ)
その妻、三十七歳。(丁妻、戸主妻に同じ)