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にっき
日記
宮本 百合子
20 一九三六年(昭和十一年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 15,424 字 · 32 页
六月二日
六月三日
六月六日
五円咲に貰って行ったのに、一文ものこらず。
六月二日(火曜)
スーさんが来る。夕方まで話す。
男に圧力的に、積極的に、衝動的に要求され、其を拒絶しない。その拒絶しない原因を常に男の力とか、自分がヤケであることのみにおき、自身がそういう瞬間に妥協する本能要求というものを勘定に入れず、そのことを一種の災難のようにだけ見、自分のヤケ、そのヤケを起させた親たち、結婚という風に見て、一つもその中から経験として発展的なものをひろい出して来ないことの卑屈さ。そういう女にとって、マルクス主義的世界観が、只自分の不幸と思うヤケの原因をつくった親、その考え方、封建性というものの方へのみ動かされ、自身の封建性について批判的に働いていないことのおどろき。
六月三日(水曜)
仕事をする心持になって来た。丈夫になったというのだろう。
そして、マスマス夜更しいや。
仕事に着手。
六月六日(土曜)
朝一時間半、仕事。
○午後クルマがあいたので青山墓参。
○夜また仕事、十一時まで。
きょうは久しぶりで夜静かである。Kは土曜会。
※マクシム・ゴーリキイ、グリップ〔流感〕から急性肺炎となり、すっかり危篤に陥ったという電報夕刊にあり。