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にっき
日記
宮本 百合子
20 一九三六年(昭和十一年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 15,424 字 · 32 页
四月三日
○ロク、作品を書いている(作曲中)が切迫したので殺気立っている。
〔欄外に〕
○まだ余り動きたくなし。疲れているものと見える。
○三吾さん。
○朝、桜井。何だか、わるく角がとれつつある。
四月三日(金曜)雨
〔発信〕咲枝、金、新妻。
〔受信〕G子、こんな苦し手紙をよむとは。
池。
かえって始めてお客なし。静か。
チクオン機、ラジオでうるさいのが珍しくしずか。
○窓をあけて見ると、すぐ前の庭の上にはしずかに雨が降っているが、外苑の方を見ると、風で雨脚が白く吹きとばされるのが木立の前に見える。一種の風景。
○レーンコートの男がうつむいて通る。
○「漱石の思い出」を読了。漱石にアブノーマルなところがあり、追跡症めいていたことを医者が証明した。そのことで鏡が、漱石のデリケートな感受性で直感したデリケートな点を皆「病的」の中にまとめている点、一つの書かれざる小説を感じさせた。
○「アラ? 変だわ。今日でしょう? 今日でしょう? ホーラね、変だわ」ラジオ版のミスプリントを見ながら(曲目のタイトルと内容説明の間ちがい)
〔欄外に〕
○緑郎昨夜も今夜もよって、痰に血がまじったと話す。