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にっき
日記
宮本 百合子
20 一九三六年(昭和十一年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 15,424 字 · 32 页
四月十一日
〔欄外に〕
咲、買物のかえりによる。
○予審終結決定書来る。
○鈴木さん北村さんへの礼。
○お玉さん、お菓子の箱をもって来てくれる。
○栄さん。
四月十一日(土曜)
八時から(夜)ケンプの放送がある。林町へ出かけ、聞く。出てからはじめて林町の家に行った。西洋間すっかりごたごた(国男のラジオごのみに従って)になっていて、家具、額などの美しさが一つも発揮されていず、物置のよう。すべてのものがつやを失って見える。生活力のブリリアントなところがなくなっている。自分の心痛し、甚だ痛し。しかし何をか云わんや、この家と自身とが切れていることを実に切に感じた。病室へかえって来たら、大変気の張る訪問からかえって来たようにホッとした気がした。元から林町は落付かなかったが、今日ほどすべての雰囲気がしっくりしなかったことなし。生活上の変化。その新しい関係、その空気をあるままに感じ、受け、センチメンタルにならぬ努力は幸私が 1932 以来の苦労によって出来ている、これは大きい幸である。自他ともに。
〔欄外に〕
スエ子が自分と暮したいという心持。林町へ行って見てまざまざとした。