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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
岡本綺堂『明治劇談 ランプの下にて』。同一底本的分册已合并为一书。收入:明治劇談 ランプの下にて、明治演劇年表。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,283 字 · 329 页
紅葉館の劇談会
これで書生芝居も一種の新しい劇として、あまねく世間からその存在を認められるようになって、わが劇界には歌舞伎と新派劇と二つの王国が出来た。
紅葉館の劇談会
日清戦争劇の流行した明治二十七年の頃、わたしは中央新聞社に籍をおいて劇評の筆を執っていた。その頃の中央新聞社は銀座尾張町の角、今の三越呉服店のところにあって、一方の角、すなわち今のライオン喫茶店のところには東京毎日新聞社の建物が聳えていた。わたしは二十六年の十月に、『東京日日新聞』から『中央新聞』に転じたので、わたしが入社するまでは小林天龍君がこの新聞の劇評を担任していたのであった。小林君はわたしと入れ代りに萬朝報社へ転じて、後には劇評家などはすっかり廃業してしまって、同社の政治部記者として有力の地位を占めるようになったが、中央新聞社にあるころは蜃気楼主人の名を以て盛んに劇評をかいていた。どういう縁故があったか知らないが、同君は銀座の田村成義氏の家に寄留して、そこから出社していたように記憶している。
小林君について、もう一つ記憶に残っているのは、同君一個の名を以て歌舞伎座に引幕を贈ったことである。