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とうきょうじんのだらくじだい
東京人の堕落時代
杉山 萠円
「九州日報」1925(大正14)年1~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 页
男女共学と異性の香
地震後の学校のサボの自由
………連載一回分(二千字前後)欠………
男女共学と異性の香
震災後、東京の各学校の大多数は、一種の男女共学を試みねばならなかった。
焼け出された女の学校が、男学校の放課後を借りて授業を続けた。倒れた学校の男学生が、女学校の校舎を借りて夜学をしたなぞいう例がいくらもあった。
これがわるかったと警視庁では云う。
都会の子女は敏感である。彼等は、僅の時間を隔てて同じ机に依る事に、云い知れぬ魅惑をおぼえた。そこに残る異性の手すさびのあと、そこにほのめく異性の香はこの上もなくなつかしまれた。そこに落ちている紙一枚、糸一筋さえも、彼等には云い知れぬ蠱惑的なものに見えた。殊にその校舎の中の案内を知ったという事は、その子女の不良化に非常な便宜を与えたという。
こうして彼等はその異性の通う学校に云い知れぬ親しみを感ずるようになった。そうした男女共学が止んでも、その魂はその校舎の中をさまようた。その筋に上げられた子女、又は記者と語った不良少年で、この心持ちを有りのままに白状したものが珍らしくない。
地震後の学校のサボの自由
男の学校を借りて男の生徒を教育したのにも弊害が出来た。