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とうきょうじんのだらくじだい
東京人の堕落時代
杉山 萠円
「九州日報」1925(大正14)年1~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 页
私のお馬鹿さん
筑紫の女王白蓮夫人? を初め、日向きむ子、神近市子、平塚明子、又は武者小路夫人などいう人々の、所謂合理的な行いを、彼女達は口先だけででも驚き呆れていた。彼女達は彼女達の自然(獣性)を彼女達の不自然(良心)の城廓に封じ込めていたのである。
ところへあの大震災である。
彼の土煙と火煙は、彼女等の頭の中のこうした城廓を、かなり烈しく打ち壊した。これと同時に、夥しい「若い燕」が東京市中に孵化して飛びまわる事になった。
曠古の大震災はこのような人々を一様に単純化した。情熱化した。智識、見識、プライド、又はこれに伴う人格等のすべてを奪い去って、平等に本能の飢渇に陥れた。明日をも知れぬ運命を、引き続く余震で暗示した。彼等は、最も浅ましい事以外に、最も貴いことを認めなくなった。
しかもそれは一時の現象でなかった。
私のお馬鹿さん
現在の東京には、このような浅ましい傾向が、どれだけ増大して行くかわからぬ勢である。そうしてこの中に浸る東京の上流婦人の中に、次第にサジスムス性のソレが殖えてゆくのは、男性のソレと同様止むを得ない事である。
このような婦人は、愛欲という言葉の中に含まれている「快感」