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ごくちゅうせいかつ
獄中生活
堺 利彦
「楽天囚人」1911(明治44)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,443 字 · 31 页
四 巣鴨監獄の構造
行くこと半町ばかりにして、赤煉瓦の横長い建物の正面の入口に来た。鉄柵の扉に錠がおろしてある。サア来た、いよいよこれだなと思うていると、「新入が十五名」と呼びながら外の看守が我々同勢を内の看守に引渡した。我々は跣足になって鉄扉の中に入った。中はズウット長い石畳の廊下で、冷やりとした薄気味の悪い風がソヨリと吹く。「そこに坐る」といわれたのですぐ前を見ると、廊下の片側に薄い俎のようなものが幾つも並べてあって、その上に金椀だの木槽だのがおいてある。よく見れば杓子も茶碗もある。いうまでもなくこれが御膳部であるのだ。そして人の坐るところには、襤褸でこしらえた莚のようなものがズット敷きわたしてある。そこで十五名一列になって膳の前に坐ると、そこに突立っている看守から「礼!」という号令がかかる。それで一礼して箸をとる。予は僅に二箸三箸をつけたのみで、ほとんど何ものをも食い得なんだ。また、「礼!」という号令の下に一礼して立ちあがると、今度は右側の室の鉄の戸を開けて七八人ずつ入れられた。
四 巣鴨監獄の構造
ここでチョット巣鴨監獄の大体の構造を説明しておかねばならぬ。