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わたしのりれきしょ
私の履歴書
井上 貞治郎
――放浪の末、段ボールを思いつく
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,380 字 · 69 页
聯合紙器創立
銀座の島田洋紙店主に金を借りたりして、当時の金で三千円の巻取り段ボール機械をドイツから輸入した。もっとも初めはうまく運転できなかったが、苦心の結果なんとか完全にこれを扱えるようになった。こうなるとますます大量生産の成果もあがってくる。事業も順調にはかどり、島田洋紙店への借金は、間もなく利息もつけてすっぱり返すことができた。
そのころ本町のリーガル商会からベジリン香水半ダース入りの、段ボールによる包装用紙ばこの注文を受けた。私は国産で初めての両面段ボールを使って、見よう見まねの製作にかかり、これを仕上げたが、これが日本でのいわゆるパッキング・ケースの最初のものとなった。
店員も十数人にふえ、私は『月に一千円以上の品物が売れるようになれば、お前たちにうなどんをおごろう』といってみんなを励ましたものである。
大正三年七月、第一次大戦が突発、戦乱が進展するにつれて、景気はにわかに上昇した。私の仕事もようやく波に乗り、マツダランプの箱がウラジオからロシアへぐんぐん伸びていった。事業は猛烈な順風に、帆もさけんばかり。躍進また躍進である。大正四年横網町の安田家の裏へ、初めて家を買い取り、ここへ工場を移し、大阪に「大阪三成社」