轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

わらうあくま

笑う悪魔

野村 胡堂

「ロック」筑波書林、1948(昭和23)年12月~1949(昭和24)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,687 字 · 55 页

青空文庫

「――――」

「土蔵の窓へ渡ったにしても、張り渡した綱の始末は、部屋の中に残って居る美保子さんがしてやる外にはない」

「――――」

「曲者が奈々子さんを部屋の入口から堂々と連れ出した後で、美保子さんが扉を閉めるか、でなければ曲者が窓から奈々子さんを担ぎ出した後で、その渡り綱を美保子さんが外してやったことになる、――東京ポストの千種十次郎君ともあろう者が、これ位の矛盾に気がつかない筈はない、君が協力を惜しんで居ると言った僕の言葉が間違って居るだろうか」

花房一郎は、今までの好々爺振りをかなぐり捨てて、グイグイと千種十次郎を問い詰めるのです。

「――――」

千種十次郎は黙り込んでしまいました。それ位の矛盾は、素より気が付かないでは無かったのですが、傷いた美保子を問い詰める勇気もなく、ツイ疑問は疑問のまま、成行に任せて眺めて居たことは否む由もありません。

「そればかりでは無い。窓框の内側は、ほんの少しではあったが血が付いて居た筈だ、それに、庭には足跡も無いのに、淡い雪の上に、双刃の短刀が突っ立って居た、――真っ直ぐに、大地に二三寸も突っ立って居たのだ、上から投ったことは疑もない」