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やぶのうぐいす

藪の鶯

三宅 花圃

「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,356 字 · 65 页

青空文庫

すこぶるイージーだったゼ。

○「僕もおやじにしてもらったヨ。松島君はだれも下読みをしてくれてがないから。どうしても講堂じゃア出来ないけれど。そのわりにゃア試験に好結果を得るから希代だヨ。

□「松島君のうちゃア姉さんばかりでよく月謝に困らないネー。どこから金が出るのだ。

○「それやアあし男くんの姉さんが。なかなかえらいもんだっサ。この間僕の父が一番町の宮崎さんへいったら。あっちの長屋にお秀という娘があるが。毛糸編みの内職をして弟の学費に充てるといったとサ。公債証書ももっているけれど。姉さんが少しも手をつけんとサ。

□「そうかあし男君ほんとか。

葦「ウウン。僕はそんなことはしりゃアしない。失敬。

○「ヤアここから別れるのか。じゃア君あすさそうゼ。

葦「ナニさそってくれんでもいい。

○□「グードバイ。

○□「君きゃつはかくしているゼおかしいやア」という声をあとに残して。チョッいまいましいという顔色。口をムグムグやりながら坂をあがって。三丁目谷のとあるうちまで一さんにかけてきて。格子をガラリバタリ。どたどたとあがる。

秀「オヤ葦男さん。今日は大そうおそかったネ。おっかさまの御命日で。