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やぶのうぐいす
藪の鶯
三宅 花圃
「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,356 字 · 65 页
第四回
まただれさんがこういったとか。いつでもしまいには。あの山中さんののろけをうけさせられるのがつらいの。
下女「ソレデモあの洋行していらっしゃる若様が。殿様の遠いお続きとやらで。お嬢様のお婿様だというではないか。それにあんなことをおっしゃってもいいのかネ。
中働き「そこが開化とやらで。おまえのような旧弊をいってはいけない。なにもあやしいわけがなければ。男と女の附合いはアア開けた風でなければいけないと。いつも殿様がおっしゃるよ。
という折から馬車のおとガラガラガラ。馬丁の声「お嬢様おかえり……。
第四回
九段坂より堀伝えに。ほおの木歯の足駄をガラガラ。と学校の帰りにやあらん。年ごろはおのおの十五ばかりなる二三人の少年。一人は白き帆木綿のかばんをこわきにかい込み。毛糸織りの大黒頭巾を戴きたる。身柄いやしとはみえねど。他の二人にくらぶれば。幾分か麁末なるところあるがごとし。少ししまがらのはでに過ぎたるめんめいせんの綿入れも。あかづきたとにはあらねど。つぎめ肩のあたりにしるくて。随分きからしものとみえたり。
△「君きょうのレッソンはデフィガルトだったねえ。
□「アーだけれど僕は昨日ブラザアに下読みをしてもらったから。