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やぶのうぐいす

藪の鶯

三宅 花圃

「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,356 字 · 65 页

青空文庫

第五回

「ヘイ今日は。豆腐屋でござい。

葦「姉さん豆腐屋が来たヨ。

「豆腐屋でござい。

葦「姉さん聞えないの豆腐……。

秀「きこえましたヨ。

ようように顔をなおし。

秀「きょうはいりませんヨ。

第五回

葦「御免なさいまし。

母「オオ葦男さん。なんだえすぐお通りナ。今日は一郎も家にいますし。斎藤さんも来ておいでだ」というは。本卦がえりにモウ二ツ三ツという年ごろ。頭は切下げにして。少し小肉のある気さくそうな婆さんは。葦男姉弟の借住居せし長屋のあるじ。宮崎一郎の母なりけり。

葦男はズット通り。宮崎斎藤に挨拶し。またその母にむかい。

葦「あの今日は亡父の三回忌に当りますので。わざと志の牡丹餅を拵らえましたが。姉の手でござりますから。うまくはござりますまいが。どうか召し上ってくださいまし」と手に携さえし重箱に。袱をかけて差し出せば。

母「なるほどそうでござりました。お早いものでござります。斎藤さんはたしかお宗旨違いだったが。一郎ご覧おいしそうなこと。

宮「葦男さん学校は御出精かね。斎藤さんが今も。大そう進歩が早い。才童の評判がある。といってほめなすってであッた」この斎藤というは葦男の通学する。