轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
やぶのうぐいす
藪の鶯
三宅 花圃
「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,356 字 · 65 页
第十回
男「馬鹿な。
女「ソンナラ大丈夫かえ。
男「当りまえよ。耳をかしな」と声をひそめて。両人がしばしささやきいたりけり。これ新橋ステイションの側なる。新橋楼という待合の奥二階に。さしむかいの男女は。山中正にお貞なり。正は時計を出して見て。もう刻限だぜドレ。と立ち出でながら。
正「今度の湯治は大丈夫か。男の連れがあるのじゃアないか。
貞「お前じゃアあるまいし。何の因果で浮気なんぞをするものかネ。疑ぐるなら汽車に乗るところまでついてくるがいい。お清のほかにゃア牡猫だッていやアしない。
と戯れながらステイションに近づけば。発車のしらせチリリンチリリン。
第十回
かかえの車夫にやあらん。玄関の馬車まわしの小砂利の上へ。しきりに水を撒いている。この体裁からみると。やすくふんでも奏任二三等ぐらいの住居とみゆるは。山中正が家にして。その実は篠原浜子の財産もて買い入れたる家なりけり。されば家事その他世の交際にいたるまでも。全権は浜子一人に帰して。女尊主義を主張し。自身はお手車で飛び走けども。旦那様は腰弁当にて毎朝毎朝出かけて行き。還りには観音坂下まで。五銭の飛びのりがまず大快楽なり。