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ろんごものがたり
論語物語
下村 湖人
「現代」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,688 字 · 266 页
筏がなくて海に浮ぶことばかり考えても始まらんのでな。ところで、お前は、勇気を愛する点では、たしかにわし以上だが、どうじゃ、いい筏の準備がうまく出来そうかの。」
子路は再びがくりと首を垂れた。
「いや、しかし、こんな話は止しにしよう。ほんとうに海に浮ぼうというのではないからな。……子貢も安心してくれ。やはり、いい買手がついたら、身売りをしたいのが、わしの本心じゃ。ははは。」
今度は子貢が顔を真赤にした。顔渕と、閔子騫と、漆雕開の顔には、かすかな微笑が浮んだが、それは一秒とたたないうちに消えてしまった。
孔子は間もなく座を立ったが、それまで、みんなは厳粛な沈默をつづけて、めいめいに何事かを考えつづけていた。
1 子曰く、三年学びて穀に至らざるは、得易からざるなりと。(泰伯篇)
2 孔子季氏を謂う。八※(「にんべん+(八がしら/月)」、第3水準1-14-20)(はちいつ)庭に舞わす。是をしも忍ぶべくんば、孰れをか忍ぶべからざらんやと。(八※(「にんべん+(八がしら/月)」、第3水準1-14-20)篇)
3 子曰く、君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩ると。(里仁篇)