轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
227 怪盗系図
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 157,440 字 · 313 页
生きているとすれば、一万両の金の傍へ寄って来るに違いない」
「――」
「俺はそれを待っていたのだ。一万両の金に寄って来る蠅、そいつは尾州蔵屋敷で、お楽という女と十五、六の小せがれと、その小せがれにからまっている眉を落して鉄漿をつけた年増とわかった」
「――」
平次は退っ引させぬ調子で、この不思議な論告を続けるのでした。
「その眉を落した女が、おれの女房を五重の塔の中から助けて来た。話の運びがうま過ぎるから、おれは最初っからこしらえ事だと思ったよ――だが、その女をよく見ていると、顔も声も違っているが、たった一つだけ、間違いもなくお栄に違いないところがある――それは手だよ」
「顔や姿はどうにでも変えられるが、人間は自分の手だけは変えようはない――ことにお前の手は、軽業で鍛えているから、顔にも姿にも似ず男のようにたくましい」
「――」
お栄のお銀はハッとした様子で、自分の手を背後に隠しました。
「おれがその手に気がつくと、お前はあわてて、子供のとき里子にやられて、百姓仕事をさせられたなどと、尤もらしく話し始めたろう。だが百姓で荒れた手と、軽業で荒れた手とは違わなきゃならない」