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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

岡本綺堂『飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:飛騨の怪談、影、画工と幽霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,271 字 · 263 页

青空文庫

(四)

(四)

に対する市郎の好奇心は愈よ募って来たので、彼は何とかして父を釣り出そうと試みた。

「あなたも※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)が怖いんですか。」

「怖いとも思わないが、好んで其んなものに関係う必要も無いじゃアないか。」

と、安行は情なく答えた。

「祖父さんは※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)を見たそうですね。」

「誰から聞いた。」

「死んだ阿母さんから聞いたことがあります。」

「祖父さんは※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)に殺されたのだ。」と、父は思わず歎息を吐いた。

市郎は驚いて飛び上った。

「え、祖父さんは※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)に……。何うして殺されたんです。」

「そんな話は止そうよ。」

一旦は斯う云ったが、到底黙って承知しそうもない我子の熱心な顔を見て、安行は又思い直したらしい。

「では、話して聞かせるから、まあ此方へ来い。」と、父は先に立って、日当りの好い小屋の前に進んだ。

午前十時、初冬の日は愈よ暖かく麗かになって、白い霜の消えて行く地面からは、遠近に軽い煙を噴いていた。