轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しゃべりすぎる

饒舌りすぎる

山本 周五郎

「オール読物」文藝春秋新社、1962(昭和37)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,957 字 · 55 页

青空文庫

土田正三郎は十太夫を見て、静かに眼を細めた。

「そうさ、剣術だよ」十太夫は一と口飲んで頷いた、「専門にやらなくたっていい、一日に一刻か一刻半、道場へ来て稽古をつけてくれればいいんだ」

土田は細めた眼で十太夫を見まもり、それから首を左右に振った。

「道場に席のあるやつは三十七人」と十太夫は続けた、「みんな凡くらばかりで、おれのあとを任せられるような人間は一人もいない、いやわかってる、安川大蔵のことは云うな、土田には安川の能力がみぬけないんだ」

土田正三郎はおみのを見た。おみのは彼の盃に酌をした。

「そんなことはない」と土田が低い声で云った、「安川はいいよ」

十太夫がやり返そうとすると、おわかが小女たちと共に、角樽や片口や、燗鍋をかけた火鉢などを運んで来、賑やかに燗の支度を始めた。十太夫が「やかましい」とどなり、おみのが燗番をひき受け、おわかたちは去っていったが、出てゆくときにおわかは振返って、十太夫にぺろっと舌を見せた。

「枡平は女中の躾がいいな」と十太夫は云った、「そこを閉めろ」土田は焙った鴨を、両手でりながら喰べた。

「お客さまも躾がいいじゃありませんか」