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かんしょうりょくなくしてしゅうじするなかれ

魯山人書論

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人書論』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鑑賞力なくして習字する勿れ、芸術的な書と非芸術的な書、習書要訣、書道習学の道、書道と茶道、書道を誤らせる書道奨励会、美術芸術としての生命の書道、よい書とうまい書、遠州の墨蹟、現代能書批評、高橋箒庵氏の書道観、陶磁印六顆を紹介する、能書を語る、墨蹟より見たる明治大正の文士、魅力と親しみと美に優れた良寛の書、牧渓の書の妙諦、柳宗悦氏の筆蹟を通じその人を見る、良寛の書。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,639 字 · 175 页

青空文庫

根津青山翁の書

そこで私は田辺君に馬場さんの書は現代稀に見る立派な能書であること、真面目な人格者としての表現を明らかに持つところの能書であること、底力のあるとても強い信念を表わしている能書であること、等々を説述して、私は最後にこれは立派な大臣格の書であることを付け加えた。

さすがの田辺君いささか唖然たる形で、「君そうかね、そんなにうちの総裁は書が旨いのかね、知らなんだよ。再認識しなくちゃ悪いね」と、頭を掻くばかり。まあともかく現代能書批評に上すから馬場氏の書を手に入れてくれという風に話は進み、数日後、手に入ったのが、掲影の二点、すなわち「終始一誠意」と「信為萬事本」である。

それにしても、はっきりと大臣の格付けをした小生の先見の明に向っては、お世辞でもよいからなんとかいって貰いたい。

(昭和十一年)

根津青山翁の書

根津さんは若い頃すでに風流家であり、美術好きであった……というのは今から四十数年前、京都の加茂川で石を探していた、それを見たという人がある。また三十歳頃から書画骨董を漁っておられたということは誰もが知っている。四十何歳かからは茶道に親しみ、茶筌を手にするすべを覚えて、爾来、それを続けて現在屈指の大茶人として認識されるに至っている、今日、七十七歳で矍鑠と好者生活を続ける根津さんは通常一片の美的趣味家ではない。