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かんしょうりょくなくしてしゅうじするなかれ

魯山人書論

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人書論』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鑑賞力なくして習字する勿れ、芸術的な書と非芸術的な書、習書要訣、書道習学の道、書道と茶道、書道を誤らせる書道奨励会、美術芸術としての生命の書道、よい書とうまい書、遠州の墨蹟、現代能書批評、高橋箒庵氏の書道観、陶磁印六顆を紹介する、能書を語る、墨蹟より見たる明治大正の文士、魅力と親しみと美に優れた良寛の書、牧渓の書の妙諦、柳宗悦氏の筆蹟を通じその人を見る、良寛の書。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,639 字 · 175 页

青空文庫

能書の時代

自分を語る

能書の時代

かようなことを申してまいりますと、結局、書は少なくとも日本人の書でも現代から三百年位前の人の書がよろしい。それからもっと溯って五百年位前になればなおよろしい。もっと溯って、弘法大師時代になれば、殊によろしいということになって、古いほどいいということになると思います。

それで自分がこんな字を習うのは自分の柄ではないということであれば、致し方ありませんが、調子の高い良書について習うに如かずと知る上は、初めからその方に近寄って行った方がよいと思います。

しかし、各々分際がありまして、まるきり柄にもない字を初めからやったところで、とても追いつかないこともありますから、自分に本当に出来るものからやり始めようという考え方でやられるとよいと思います。棒ほど願って針ほど叶う、という譬えもありますから、なるべく古く逆行して、調子の高きに就くが賢明だと思います。

自分を語る

しかし、私自身がこういっておりますと、字が書けそうに思われるかも分りませんが、私はいっておるだけであって、字は一向に書けないのであります。一体、世の中のことが分ったら、分ったように出来るかと申しますと、それはなかなか出来ぬのであります。