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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
佐藤垢石『『たぬき汁』以後』。同一底本的分册已合并为一书。收入:泡盛物語、岩魚、烏恵寿毛、越後の闘牛、岡ふぐ談、香熊、熊狩名人、猿ヶ京、支那の狸汁、しゃもじ(杓子)、食指談、純情狸、食べもの、飛沙魚、鯰、入社試験、魔味洗心、老狸伝、わが童心、ミミズ酒と美女。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 页
よんべのしゃもじも、たしかにその狸奴の、道楽だんべえ。
と、解説したのである。そこで友人も、私の話が作りごとでないことに頷いた。
ところで、友人の祖父が、若いとき祖父からきいた話であるとしてみれば、殿田用水の狸はよほど劫をへた古狸に違いない。
漢書幽明録に、こんなことが記してある。漢の董仲舒が、ある日窓の幕を下ろし、なにか思索に耽っていると、突然来客があった。見ると立派な風采で、半影まことに非凡である。董仲舒を相手に論議を求めてきたらしく、二人で五経を論じたところ、客はその奥義を尽くしている。
これに対して、董はちょっと首をひねったのだが、我輩は今の時代の名家とは、遍く交遊して知らぬ人とてない。しかれども、この客のような博学の人士と、つき合ったことがない。
ことによると、この客めは変化妖怪の類かもしれぬと思って、董はためしに、
巣居却風穴處知雨
郷非狐狸即是老衆
と、客を一喝したところ、客は俄に顔色を変え、形が崩れると見る間に、忽ち老狸と化して窓外へ走り去ったという。