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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
佐藤垢石『『たぬき汁』以後』。同一底本的分册已合并为一书。收入:泡盛物語、岩魚、烏恵寿毛、越後の闘牛、岡ふぐ談、香熊、熊狩名人、猿ヶ京、支那の狸汁、しゃもじ(杓子)、食指談、純情狸、食べもの、飛沙魚、鯰、入社試験、魔味洗心、老狸伝、わが童心、ミミズ酒と美女。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 页
、第4水準2-89-10)に相談したところ、敢て強く反対するほどでもなかったので、厩橋の下宿へ戻り小みどりの母へ縁談を持ち込んだ。
母は、まだ相手が学生であるとの理由から、最初のほどは反対したけれど、愛しい娘が病の床へついたまま起きあがらないのを見て、ついに同意した。しかし条件があった。それは、家の事情でなお一両年稼業を続けさせて貰いたい。くらし向きに余裕ができしだい、婿さんに引き取って頂くことにするからというのである。
さて、瀧川一益の家臣に、吉野雀右衛門と呼ぶ分別盛りの武士があった。厩橋市中取締を役目としているのであるけれど、雀右衛門という男は、この頃の政府の役人のように権柄づくで賄賂を人民から捲き上げるのを常習としていた。そして酒の上が甚だよくない。宴席の口論から、同僚を傷つけた。
当時、戦国で世は乱れていたから、権柄づくや、少し位の収賄は藩主もこれを論ずる遑がない。殊に一益は女も好き酒も好きであったから人の酔心については、深い理解を持っていた。酒の上の過ちなど聞かぬ振りをしていたのだ。
だが、いかに乱世とはいえ同僚を傷つけたのは、ただごとならん。