轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
佐藤垢石『『たぬき汁』以後』。同一底本的分册已合并为一书。收入:泡盛物語、岩魚、烏恵寿毛、越後の闘牛、岡ふぐ談、香熊、熊狩名人、猿ヶ京、支那の狸汁、しゃもじ(杓子)、食指談、純情狸、食べもの、飛沙魚、鯰、入社試験、魔味洗心、老狸伝、わが童心、ミミズ酒と美女。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 页
七
厩橋城は、松平家が留守にした幕末の九十九年間に、はじめて狸がわが住まいとして、入り込んできたのではないらしい。その二、三百年前に、城の狸が北条勢や武田勢を、向こうにまわして戦っている。
『石倉記』によると、永禄十卯十年、上杉謙信は上州厩橋城に足を止めて、関東平定のことに軍略めぐらしていた。そこへ北条氏康が攻めてきた。
氏康の軍勢は氏政従臣松田尾張入道、同左馬助、大道寺駿河守、遠山豊前守、波賀伊像守、山角上野介、福島伊賀守、山角紀伊守、依田大膳亮、南條山城守など三万余騎。
これに、加勢として武田信玄が出馬してきた。信玄の率いる勢は馬場美濃守、内藤修理亮、土屋右衛門尉、横山備中守、金丸伊賀守ら二万余騎である。両旗の軍勢合わせて五万六千は、大旗小旗や、家々の馬印、思い思いの甲冑を、朝陽に輝かして押し寄せた。
同年十月八日から厩橋城を打ち囲み、追手搦手から揉み合わせ、攻め轟かすこと雷霆もこれを避けるであろうという状況である。
血は、城のお壕に溢れ、屍は山と積む激戦を演じたけれど、勝敗は遂に決しない。そこで、寄せ手の方では城を焼き払う方略を立て、毎夜城下の街へ火を放して気勢をあげたのである。