轻松读懂日语经典作品
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ちゃん
ちゃん
山本 周五郎
「週刊朝日別冊陽春特別読物号」朝日新聞社、1958(昭和33)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,377 字 · 45 页
彼はやがて自分のやる仕出し魚屋について語り、淡路屋の旦那について語り、魚政の親方について語った。どっちも重吉には知らない名だったが、とにかく淡路屋の旦那は良吉が贔屓で、彼が店を持つときには資金を貸す、という約束になっているというし、魚政の親方は仕出し料理のこつを教えてくれるそうであった。
「いまに楽をさせるぜ、ちゃん」と良吉は顔を赤くして云った、「もう五、六年の辛抱だ、もうちっとのまだ、いまにおれが店を持ったら楽をさせるよ、ほんとだぜ、ちゃん」
重吉はうれしそうに微笑し、うん、うんとうなずいていた。
それが三月はじめのことで、まもなく十四日が来た。その夕方おそく、もう灯がついてから重吉はお蝶の店にあらわれ、ほんの二本だけ飲んで、溜まっている借の分に幾らか払い、それから「源平」へ寄った。
お蝶へゆくまえに、彼はもう飲んでいたのだ。お店で受取った勘定が、予定の半分たらずだった。主人は云い訳を云ったが、要するに五桐火鉢では儲からない、ということであり、売れただけの分払いということであった。
くそくらえ、と重吉は思った。勝手にしゃあがれ、そっちがそう出るなら、こっちもこっちだ。