轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆうれいかしや

ゆうれい貸屋

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館、1950(昭和25)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,320 字 · 42 页

青空文庫

担当幽霊は拳で眼を拭いた、「あっしあ前世では、まっとうな紙屑買いでやした、浮世というところは正直者や弱い者、まっとうな人間が苦労をする、汗水たらし骨身を砕いて、肩腰の歪むほど働いて、それで満足に食うこともできやせん、ぼろをさげた女房に浴衣一枚が買ってやれず、子供がよその子の食べている菓子を欲しがれば、叩いてごまかすよりしようがねえ、悪い事をしてせせら笑ってるようなやつを旦那と奉り、御政治がどんなにあこぎでもおそれかしこんで、なあに、天道さまが見ておいでなさる、天道さまはみすてやあなさるめえ、この世ではむくいがこなくとも、あの世へゆけばお釈迦さまもいらっしゃることだ、きっといいことがあるに違えねえ、……こう思って辛抱していやした、ところがいけねえ、とんでもねえ、やっぱり同じこってやす」

前紙屑買いはやや昂奮して、だが腰の低い調子で訴えるように続けた。

「浮世も金、あの世も金、浮世でどんな悪辣な事をした人間でも、寺へたくさん金を納めれば大手を振って成仏する、極楽へでもどこへでも好きなとこへゆけやす、だが貧乏人はろくな葬式も出来ず、お布施もたんとは出せねえ、だから坊主はてんから見下げたもんで、……今だから申しやすが、あっしの死んだとき来た坊主なんぞはあなた、引導にこんなことを云いやした。