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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页

青空文庫

一定形態をもつ組織的な無意識的虚偽、それを今検出して見よう。――単なる個々の虚偽をではない、そうでなくして組織的な虚偽形態をである。

フランスの優れたる病理学的心理学者 Th. Ribot は※(始め二重括弧、1-2-54)La logique des sentiments※(終わり二重括弧、1-2-55)に於て、この問題に対して極めて有効な代表的な示唆を与えている。論理は理想的に云って合理的でなければならない、凡ゆる感情から浄められた冷静な理性によってのみ、論理――推論――は正当に運ばれるのでなければならない。併し実際に吾々を支配している論理はそのような logique rationnelle ではなくて恰も感情の論理なのである、そうリボーは考える。感情の論理が合理的論理と正反対であることを示す特色は、感情の論理に於ては結論が先ず初めから与えられ、この予め決っている結論が却って自分に必要と思われる通りの推論を動機する、という点に見出される。それ故この推論に於て必要なことは、この推論によってどのような結論が引き出されるかを見守ることではなくして、予定の結論を引き出すのにこの推論がどの位有効であるかを監視することである。