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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页

青空文庫

事物の性格は、人々が事物に達する通路としてあることを、その特色とするのであった。事物の性格は人々の性格に相関的である。そこで人々の――個人の――性格が問題となる。如何なる性質を或る事物の性格として択ぶかは一方に於て、人々の夫々の性格に依存すると考えられる。そして人々の性格は人々によって云わば任意であり得るように見えるから、事物の性格も亦任意のものとして把握されそうである。処が他方すでに事物の性格は時代の歴史的運動によって終局的に制限されていなければならなかった。従って事物の性格は任意のものとして把握することを許されない筈であった。個人の性格は時代の歴史的運動とそれではどう関係するのか。――個人の性格も亦時代の歴史的運動によって終局的に制約されなければならないであろう。何となれば個人は時代という歴史的全体に対する一つの歴史的部分であるが、個人の歴史的運動――それは前の説明によれば個人を理解し又之を待遇することによって生ずる運動であった――は時代の夫に終局的に帰着しなければならない、そして個人の歴史的運動に寄与するものこそ個人の性格でなければならない筈だからである。