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ヨブきこうえん
ヨブ記講演
内村 鑑三
丸の内の大日本私立衛生会館における内村聖書研究会においてのヨブ記講義、1920(大正9)年4月25日~6月27日、9月12日~10月10日、10月24日、11月21日、12月19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 92,828 字 · 185 页
今日において自動車、汽船、飛行機を挙ぐるが如きものである。(葦船は速力早き軽舸にして、今日も南米ペルーにおいて用いられている)。
◯二十七節―三十一節はわが病の苦痛を訴えし語なると共に、またわが心霊の苦悶をありありと述べしものである。かく見てその生々した発表たるを知るのである。「われ雪水をもて身を洗い、灰汁をもて手を潔むるとも、汝われを汚らわしき穴の中に陥いれ給わん、しかしてわが衣も我を厭うに至らん」の如きを見よ。肉体の汚れと共に心霊の汚れを歎きしものたること明かである。「雪水」は砂漠地のこととて雪のある時にのみ水を充分有ち得るからの語である。「灰汁」は天然曹達(natron)すなわち天然に存する結晶せる曹達である。これを石鹸の如く使用するのである。
◯三十二節以下はヨブ記中においても最も注意すべき語の一である。「神は我の如き人にあらざれば我かれに答うべからず、我ら二個して共に審判に臨むべからず」と三十二節に言う。ヨブは神と己との間に充分なる交通の道なきを歎じたのである。そして三十三節にては「また我らの間には我ら二個の上に手を置くべき仲保あらず」といいて、彼は神と己の間に仲保者のなきを遺憾としたのである。