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ヨブきこうえん

ヨブ記講演

内村 鑑三

丸の内の大日本私立衛生会館における内村聖書研究会においてのヨブ記講義、1920(大正9)年4月25日~6月27日、9月12日~10月10日、10月24日、11月21日、12月19日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 92,828 字 · 185 页

青空文庫

を述べる。これ第十一章である。しかるに前述せし通りヨブは信仰において知識において遥かに三友を凌駕せる故、ゾパルの振廻す天然知識位にて怯むべきはずがない。ただちにその豊富なる知識の庫を開いて逆襲的にゾパルに答えるのである。これを載するは十二章である。そして彼の語はなお続いて十三、十四章となり、かくてヨブ対三友人の第一回答は決了するのである。

◯まず十一章においてゾパルの語を見よ。一節―三節は彼の言わざるを得ざる理由を述べたものであって、ヨブの言説に対して起したる青年ゾパルの憤りはさながら見るが如くである。しかして四節より本論に入りていう「汝は言う、わが教は正し、我は汝の目の前に潔しと。願くは神言を出し、汝に向いて口を開き、智慧の秘密を汝に示してその知識の相倍するを顕わし給わんことを、しからば汝知らん神は汝の罪よりも軽く汝を処置し給うことを」と。しかりヨブが自ら正を以ておりて罪なしとせるは過っている。しかしゾパルは言うのである「神もしその智慧の大なるを示し給えばヨブは己の智慧の足らざるを知り、かつ己に降りし禍はその犯せし罪の報以下なることを知るに至るであろう」