轻松读懂日语经典作品
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なのかななよ
七日七夜
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页
「二日や三日食わなくったって、人間なにも死ぬわけじゃあない」
昌平は筆写にかかった。
「知らせて来るまでひと稼ぎやるさ」
だがいけなかった。手が震えて字がうまく書けない。火桶には螢ほどの残り火があるばかりだし、腹は頻りにぐうぐう鳴りだす。おまけに写している文章は、銀閣寺将軍が酒池肉林の大饗宴をやっているところで、忍耐を持続するには極めて条件が悪かった。
「ちぇっ、いったいあいつら、なにをしてるんだ」
彼は筆を措いた。この頃は朝食を知らせに来るのがおそい、だんだんおそくなる傾向であるが、その朝はことにおそかった。
「べらぼうめ、なにが第一義だ」
障子へ日のさしてきたのを見て、昌平はついにがまんを切らした。
「腹が減れば空腹になるのは人間の自然じゃあねえか、おれだって人間だ」
ばかにするなと思いながら、少しは憤然として外へ出た。
彼は侍長屋に住んでいる。横庭の霜を踏んで、台所へはいってゆくと、温かい飯と味噌汁の匂いが、むっと鼻におそいかかり、腹がぐうるぐうるると派手に鳴って、口の中へ生唾が溢れてきた。連子窓からさし込む朝日の光の下で、下女たちが食事をしている。